強権化進むハンガリー EUを内部から揺るがす

東欧ハンガリーで今月行われた議会選で、オルバン首相率いる中道右派の与党が3分の2の議席を獲得し圧勝した。オルバン氏は近く連続3期目の首相に就任する。

 オルバン氏は一貫して「反移民」を唱え、欧州連合(EU)の移民政策を批判し、難民流入に不安を抱く国民の支持を集めた。これまでにもメディアを統制し、リベラル系の教育機関やNGOを規制してきた。

 排外主義と強権化は、寛容さを是とする西欧側との対立に拍車をかける恐れがある。

 オルバン氏は自国を守ることを理由に、各方面で政府による管理・統制を強めてきた。2015年に難民・移民の流入を防ぐ国境フェンスを建設したのは一例だ。自ら掲げる「非リベラルな民主主義」とはロシアや中国をモデルにしているという。

 ポーランドはこうした姿勢に呼応し司法への介入を強めている。EUの難民受け入れ分担に関しては、チェコを含むこれら東欧3カ国が拒否し、欧州委員会が提訴する問題となっている。

 自由な民主主義、法の支配、人権を重んじるEUにとって、オルバン氏のような強権政治は受け入れ難い。ドイツやフランスが進めるEU統合深化の動きにも逆行している。

 東欧はかつての社会主義国が多く民主主義が成熟していない事情もあろう。ハンガリーは04年のEU拡大で加盟したが、グローバル化に反発する形で右傾化が進んでいった。

 オルバン与党の圧勝は、欧州各国で躍進する極右勢力を勢いづかせる懸念もある。実際、仏極右政党である国民戦線のルペン党首は「EUの大量移民政策が否定された」と賛辞を贈っている。

 ハンガリーはEUからの多額の補助金を財政の頼りとしており、オルバン氏にEUから離脱する意思はないという。だが、プーチン露大統領と良好な関係にあることも、西欧側が警戒心を抱く一因となっている。

 マクロン仏大統領は欧州議会で、オルバン氏の勝利を念頭に、増長するナショナリズムに対抗策を打ち出す必要性を説いた。

 EUは警告を重ね、極端な路線からの修正を促す必要がある。オルバン氏もEUの一員であることを自覚し、対立をあおるべきではない。

 

出所: https://mainichi.jp; https://www.geopolintelligence.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.