一日あたりわずか数人の新規感染者しか確認できない状況が夏の間に続いていましたが、8月末をもって新型コロナの感染者が急増し、ハンガリーにおいて第二波が到来しました。その原因は、新型コロナに対する警戒心の緩み、および外国旅行に行き外国で感染した人々がウイルスをハンガリーに持ち込んだことにあるとされています。

更なる感染を防ごうと、ハンガリー政府は9月1日付で一般の外国人の入国を禁止しました。それ以来は、入国規制は緩和され、現在は下記のような条件を満たせば入国が許可されます。

  • 商業以外の目的の入国の場合、10日間の自宅隔離が義務付けられます。陰性のPCR検査結果が2つ提示できれば、隔離から解放されます。1番目の検査結果は、シェンゲン協定加盟の国、アメリカ合衆国、カナダで行われた英語またはハンガリー語で記された検査結果証明書なら認められます。
  • 商業目的による入国の場合、商業目的を適切に証明する必要があります。商業目的が証明できれば、入国が許可され、隔離は不要になります。
  • 永住権者、ハンガリーに90日以上の有効な滞在許可を持つ外国人およびその家族、ハンガリー人の家族、スポーツイベントの関係者は入国の際にハンガリー人と同様の扱いになり、入国が許可されるが、10日の自宅隔離または陰性結果の提示が必要になります。(非商業目的の場合)

現在、ハンガリーには新型コロナの流行は拡大する傾向にあり、一日あたりの新規感染者数は第一波の時期を大幅に上回っています。今後も秋と冬の間は同じ傾向が続くとされています。

入国の規制はある一方、ハンガリー国内には最小限の規制しか実施されていません。感染予防対策として主に次のような対策が実施されています:

  • 公共交通機関でマスクの着用が義務付けられており、マスクの着用を拒否する乗客には罰金が科せられます。マスクの正しい着用を運転手や車掌が確認します。
  • スーパーマーケット、映画館、劇場などの閉ざされた空間でマスクの着用が義務付けられています。
  • 学校などの教育機関は通常通りに運営されているが、学校では入館時に体温が測られ、熱のある者の入館が禁止されます。なお、入り口に消毒液が設置されており、生徒がそれを使う必要があります。

新型コロナの流行状況の最新情報に関してハンガリーの当局は定期的に記者会見を開いており、政府が公開する最新の感染者数などのデータをhttps://koronavirus.gov.hu/のウェブサイトで見られます。

新型コロナの経済的な影響を軽減するためにハンガリーの財務省は今後、企業に対し新たな補助金制度を開設するとされています。補助金の対象は新型コロナで特に大きな打撃を受けた観光業界などになります。なお、夏の間に実施されていた賃金補助金が再導入される可能性もあります。個人のレベルでは今年12月までに有効のローン返済猶予措置が一部の国民(大家族、シングルマザーなど)に対して延長されます。

新型コロナによる規制やハンガリーの状況についてご質問等ございましたら、お気軽に弊社までご連絡ください。