ハンガリー経済が堅調な成長をみせている。ハンガリーの中央統計局が8月30日に発表した統計によれば、2019年第2四半期のGDP成長率は前年同期比4.9%となった。これは、EU加盟国の中でもトップの成長率だ(図参照)。
供給面では、自動車などが牽引し、製造業が前年同期比3.1%増となったほか、サービス業も4.2%増となり、中でも、卸・小売り・宿泊・外食分野が7.5%増と大きく伸びた。
需要面でみると、総固定資本形成が16.4%増と大きく増加した。ING銀行のチーフエコノミストは、ハンガリーの通信社MTIに対し、機械や設備への投資が増えていることは、企業が自動化やデジタル化にますます注力していることの表れだと述べた。
最終家計消費支出は4.5%増で、自動車や家具などの耐久財と、衣類、小型家電、自動車アクセサリーなどの半耐久財への支出が好調だった。調査会社のデータハウスによれば、乗用車の新車登録台数は2019年1~8月で前年同期比10.1%増の約11万台となった。ハンガリーの乗用車市場の最大シェアを占めるスズキも、この期間の新車登録台数が前年同期比46.3%増で2万台を超えた。バルガ・ミハーイ財務相は、税控除や減税によって家計状況が改善し、消費が増加したとしている。なお、財・サービスの輸入は4.3%増、輸出は2.7%増だった。
また、バルガ財務相は、賃金の2桁上昇によって支えられた個人消費のみならず、企業の投資も進んでおり、政府がこれまでに実施してきた所得向上や企業の競争力強化に向けた支援策の効果が表れていると述べた。さらに、バルガ財務相は同国の公共放送で、2019年全体の経済成長率を4.3~4.4%と見通していると語った。
一方、マトルチ・ジョルジ国立銀行(中央銀行)総裁は9月5日の年次会議で、リスク要因として「貿易摩擦」「ハードブレグジット」「ドイツ経済の減速」(2019年8月22日記事参照)などを挙げた。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー)
出所: https://www.jetro.go.jp/biznews
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