海外への事業展開は企業にとって大きなステップです。一方、リスクを伴うことから、非常に難しい判断が迫られることがあります。特にルーマニアのように日本との関係があまり深くない市場の場合には、一層困難に直面する可能性があります。
ルーマニア市場は多くの可能性を秘めています。ただし、市場に参入してとどまることは決して容易ではありません。有益なビジネス情報は現地語でしか入手できないことが多いのです。それだけに言語、文化、コミュニケーションネットワークを理解することが重要となります。市場参入を成功させるには、現地で最新の情報を入手することが必要不可欠です。
ルーマニアは、中欧・東欧・南東欧の中心地に位置している(面積は238,391 km²)EU加盟国です。人口は約1,960万人です。1989年の体制転換の後、政府は自由市場経済政策を執り、旧国営企業の民営化に取り組みました。その際、ルーマニアは急速な改革ではなく、段階的な変化の道を選びました。そのため民主主義への回復には時間がかかりました。ルーマニアは2004年にNATOに、2007年にEUに加盟しました。構造的な改革は不均等だったにも関わらず、近年には工業においてはきわめて力強い輸出、農業においては豊富な収穫を達成しおり、高い経済成長を誇っています。
ルーマニアは多様な経済を持っており、他の中東欧諸国と同様、経済成長の原動力は輸出ですが、国内市場も比較的大きいです。トップ輸出品は、自動車・自動車部品・絶縁電線・精製石油・ゴムタイヤなどです。ルーマニアはEUで4番目に大きな天然ガス生産国(イギリス・オランダ・ドイツに続く)であり、3番目に大きなガス資源(イギリス・オランダに続く)を保有しています。ただ、高速道路の長さは合計747 kmに留まっていますので、国のサイズに比べるとインフラの面ではさらに開発の余地があると言えます。課題としては、高齢化、高学歴人材の流出、脱税、不十分な福祉制度、拡大する財政赤字が挙げられます。
現在ルーマニアで122社の日系企業が活動しており、そのうち48社が製造業です。ルーマニアは日系企業が多いとは言えず、進出の理由は「賃金コストが低い」がメインです。(出典:海外進出日系企業拠点数調査)
代表的な日系企業は以下の通りです。
ルーマニアには現在372名(出典:2022年海外在留邦人数調査統計)の日本人が在留しています。ルーマニアでは日本人在留者が少なく、日本人向け環境はそれほど整っておらず、多少現地適応能力が求められます。駐在員のお子様の教育には首都ブカレストに日本人学校があります。また、英語で利用できるサービスも多くあります。
2024年5月現在の現地生活費は東京より32.2%(家賃込み)安く、特に家賃と食費が安いです。単身者向けアパートの家賃はブカレスト中心部で約9万円、郊外では6万円程度になっています。(出典:Numbeo.com)
現地の通貨は「レウ」(RON)であり、為替レートは「1レウ= 約34.01 円」(2024年5月)です。
日本食材 | スーパーマーケット、アジアショップなどにあり |
日本食レストラン | ブカレストを中心に多くあり |
日本人学校 | ブカレストにあり |
JETRO事務所 | ブカレストにあり |
国際交流基金文化センター | なし |
滞在日本人数 | 372人(2022年現在) |
生活費 | 東京より32.2%(家賃込み)安く |
シュディアンドカンパニーは御社のルーマニア進出またルーマニア市場参入を成功させるための市場調査サービスを提供しております。ルーマニアのような日本から離れた国への進出は大きなリスクを伴いますが、初期段階から必要な情報が揃っていればリスクを最低限に抑えることができます。
弊社は複数のルーマニア現地企業や業界専門家と提携し、必要となるあらゆる情報を取得し、提供することができます。また、日本企業のルーマニア進出に関しても豊富な実績があります。
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