2026年4月12日に実施された総選挙の結果を受けて、ハンガリーの政治体制は大きく変わろうとしている。マジャル・ペーテル率いるティサ党が圧倒的勝利を収め、オルバーン・ヴィクトルが率いるフィデス党による16年間の統治に終止符を打っことになった。ティサ党は国民議会199議席のうち141議席を獲得し、憲法改正を含む大規模な制度改革の実行を可能とする3分の2の多数を確保した。新政権による初議会は5月9日に招集され、同日、マジャル・ペーテルが正式にハンガリー新首相として就任宣誓式が行われた。オルバーン元首相は新議会の議席を保持せず、国民議会には参加しない意向を表明した。
総選挙後の最も象徴的な出来事の一つは、4月13日にブダペストで開かれたマジャル首相による選挙後初の大規模な記者会見であった。この会見には国外メディアの記者や政治関係者が多数集まり、オルバーン時代後のハンガリーが国内政策および外交政策をどのように転換していくのか、その方向性を国外に示す最初の機会として大きな注目を集めた。
マジャル首相は会見で、「ハンガリーの未来は、これまでも、そしてこれからもヨーロッパにある」と述べ、EUとの関係改善および協力の拡大を明確に打ち出した。
マジャル首相は凍結されているEU資金の解除に向け、欧州委員会との交渉を直ちに開始すると発表した。EUとの関係回復は新政権の最重要な課題の一つであると強調した。この発表を受けて市場は好意的に評価し、ハンガリー・フォリント為替レートは記者会見中に上昇したと言われている。また、新政権は将来的なユーロ導入の可能性についても検討を進めていく考えを示した。
また、マジャル首相は、前政権下で「民主主義の後退」と批判されてきた状況を是正するため、憲法および制度改革を推進する方針を示した。主な提案としては、首相の任期を最長8年に制限、司法の独立性の回復、国家機関に対する政治的影響力の減少、民主的な監視機能の強化などが含まれている。さらに外交面では、前政権下で距離を置いていた国際刑事裁判所(ICC)への再加盟を表明した。
外交政策も記者会見の重要な議題となった。特にハンガリーの今後の地政学的な国家戦略についての関心が集まった。日本人記者から、中国をはじめとするアジア諸国との経済関係を今後も重視するのかとの質問を受けた首相は、経済的利益をもたらす協力関係は今後も維持すると回答した。その一方で、ハンガリーの戦略的同盟の基盤はあくまで欧州連合にあり、欧州とアジアの利益が相反する場合には常に欧州側を優先すると明言した。
会見で論議を呼んだ発言に、中欧地域間でのパートナーシップに関するものがあった。マジャル首相は、現在ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアの4か国で構成されるヴィシェグラード・グループ(V4)に、将来的にはルーマニアが参加する可能性について言及した。この発言は、オルバーン時代後の地域連携を再定義し、より広範な中欧協力体制を構築しようとする試みとして広く受け止められた。
新政権は5月12日、閣僚が正式に任命・宣誓したことで発足した。マジャル・ペーテル氏いる新政権はテクノクラート、技術や専門知識を活用して社会や組織に貢献する専門家や著名人を組み合わせた顔ぶれとなっており、専門性や制度改革を重視する政権方針を反映した組織となった。新政権は全16名の閣僚で構成される。
オルバーン・アニタが外務大臣と副総理に就任し、カルマーン・アンドラーシュが財務大臣に任命された。経済や産業政策は、経済・エネルギー大臣のカピターニ・イシュトヴァーンが担当する。保健分野ではヘゲドゥシュ・ジョルトが厚生大臣に就任し、元軍参謀総長のルシン=センディ・ロムルスが国防大臣に就いた。農業および食料安全保障は、ボーナ・サボルチ農業・食料経済大臣の管轄となる。
また、公共インフラやこれらの開発政策も新政権の重点分野とされ、ヴィテージ・ダーヴィドが運輸・投資大臣に任命され、輸送設備などの近代化や大規模な公共インフラ整備への開発が期待されている。教育分野では、ランネルト・ユディットが教育・児童大臣に就任し、教育改革と子ども福祉政策を主導していく。内務省はポーシュファイ・ガーボルが就任する。
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https://hvg.hu/itthon/20260413_magyar-peter-nemzetkozi-sajtotajekoztato
https://telex.hu/belfold/2026/04/25/orban-viktor-bejelentes-fidesz-part-frakcio-megujulas
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