ルーマニアのエネルギー省は、欧州委員会およびWorld Bank Groupと共同で、ルーマニアにおける洋上風力発電の潜在的な可能性を最大限に引き出すことを目的とした「洋上風力ロードマップ」を発表した。
本取り組みは、欧州委員会の構造改革支援総局(DG REFORM)の技術支援を受けた「ルーマニアにおける域内エネルギー市場とエネルギー移行」プロジェクトの一環として行われており、2035年までにルーマニアの黒海排他的経済水域内で最大7 GWの洋上風力発電容量を開発するための戦略的枠組みを示している。ロードマップでは、2つのシナリオが想定されている。
低成長シナリオでは、3 GWの洋上風力発電を導入し、2035年までにルーマニアの電力需要の16%を供給し、地域経済に対して14億ユーロの付加価値を生み出すことを目指している。一方、高成長シナリオでは、7 GWの発電容量を導入し、ルーマニアの電力需要の37%を賄い、53億ユーロの経済効果を創出することを目指している。
いずれのシナリオも、ルーマニアの豊富な風力資源、整備された港湾施設、熟練した労働力に支えられている。この目標を達成するために、ロードマップは、エネルギー戦略の明確化、最適な開発ゾーンの指定、ライセンスやリース、許可に関する枠組みの整備、送電網の大規模なアップグレードの必要性を強調している。
さらに、国際的な協力やルーマニアの供給チェーンへの投資が、欧州連合のグリーンディール目標に沿いながら、ルーマニアの経済発展とエネルギー安全保障に大きく貢献すると期待されている。