スウェーデン王立科学アカデミーは、2025年のノーベル文学賞をハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースローに授与すると発表した。18歳でハンガリーの南東部の町、ジュラ市を離れて1977年に作家としてデビューして以来、哲学的で独自の文体を追求してきた。代表作『サタンタンゴ』をはじめ多くの作品がハンガリー映画監督タル・ベーラによって映画化され、その名は国際的に広く知られている。アメリカ人作家・批評家のスーザン・ソンタグは彼を「黙示録のハンガリーの巨匠」と呼び、批評家W・G・ゼーバルトも普遍的な文学世界を高く評価した。 

クラスナホルカイは1987年に西ベルリンへ渡り、その後は世界を移動しながら執筆を続けてきた。特に日本とのゆかりは深く、1996年、2000年、2005年にはそれぞれ半年ずつ京都に滞在した。言語と形式を重視する彼の作品は、アメリカや日本など世界的に高く評価されており、ハンガリーで最も名誉のある「 コシュート賞」やAmerica Awardなど数多くの賞を受賞している。今回のノーベル文学賞は、革新的な表現を探求し続けてきた彼の文学世界が、世界最高峰の場で認められた証といえる。 

撮影 :Valuska Gábor / Litera

出典 : https://index.hu/kultur/2025/10/09/portre-krasznahorkai-laszlo-irodalmi-nobel-dij/