ハンガリー出身の世界的ピアニスト兼指揮者、サー・シフ・アンドラーシュが、第36回高松宮殿下記念世界文化賞の音楽部門で受賞した。東京で行われる授賞式のためにシフは来日し、常陸宮妃殿下より賞を受け取った。同賞は日本美術協会が1988年に創設した全世界の芸術家を対象とする賞で、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇/映画の分野で国際的に顕著な貢献をした人物に1500万円の賞金とともに賞が贈られる。今回は5部門で5氏が受賞し、ピーター・ドイグ、マリーナ・アブラモヴィッチ、エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルらに賞が授与された。
シフは、モーツァルトの全ピアノ・ソナタと協奏曲、バッハ作品、シューベルトやヤナーチェクのソナタなど膨大な演奏会や録音を残してきた。特にベートーヴェンのピアノ・ソナタには独自の信念を持ち、50歳までは演奏を控えていた。2004年以降は世界20都市で全曲演奏会を開催し、そのライブ録音も高く評価されている。
受賞歴は数多い。ベーラ・バルトーク=ディッタ・パシュトリー賞 、コシュート賞、国際クラシック音楽賞、グラミー賞、グラモフォン賞などを受賞。2014年にはエリザベス2世からナイト爵を授与され、正式に「Sir」の称号を得た。

撮影:Keleti Éva / MTI