輸出主導型経済モデルのスロバキアは、トランプ関税や世界的な経済の不透明感、さらに財政再建策の影響を受けて、成長の勢いが鈍化している。2025年春には失業率が過去最低水準の5.2%になり、失業率低下に伴う労働者不足問題が課題となっている。 特に熟練労働者の不足は、企業の投資計画にも影響を及ぼしている。また、早期退職の増加も労働者数減少の一因とされている。  

賃金は引き続き上昇しており、2024年には平均賃金が前年比6.6%増となった。企業は人材不足や税制やお役所仕事などの問題に直面しており、これらが生産拡大や新規プロジェクトへの投資意欲の妨げとなっている。さらに、生産年齢人口の減少、人口の高齢化や少子化問題、若年層の流出、教育と労働市場のミスマッチ、地域間格差など、取り組むべき構造的課題も深刻化している。  

出典 : Slovakia’s economy enters increasingly troubled waters - The Slovak Spectator