2024年1月1日にハンガリーの滞在許可制度に大幅な変更があり、滞在許可申請の条件や許可証の種類が変わりました。新しい制度で移民局での申請手続きが開始されたのは、2024年3月1日となります。申請用紙などのフォーマットも変更になっています。

前回のブログ記事でハンガリーの滞在許可について紹介し、特に駐在員の方が必要とする「ICT許可証」と「就労許可証と滞在許可証が一体となったもの」をご説明しました。2024年1月1日に導入された新しい制度の主な特徴を紹介いたします。

大幅に変更されたのは「就労許可証と滞在許可証が一体となったもの」です。2024年1月1日以降、ハンガリーで就労を希望する外国人は「ゲストワーカー滞在許可」「EUブルーカード」「ハンガリーカード」の3種類の滞在許可が申請できます。


ICT許可ハンガリー語:Vállalaton belüli áthelyezés」

ICT許可証は「海外転勤」を理由に申請するもので、日系企業の方がよく利用される滞在許可です。2024年1月からの法律変更はICT許可証には影響せず、以前と同じ条件で申請が可能です。

注意点は有効期限が最長3年間であること。3年後も引き続きハンガリーで就労を希望する場合、ICT許可証の新しい申請を行っていただくか(※却下される可能性もあります)、もしくは以下に記載しております別の種類の許可証への申請が必要となります。


ゲストワーカー滞在許可「ハンガリー語:Vendégmunkás tartózkodási engedély」

「ゲストワーカー滞在許可」は2024年からの新制度で導入された概念で、高度な資格を有しない者が対象で、主に工場で働く技能者が想定されています。ゲストワーカーが自分で申請するのは難しいので、派遣会社、もしくは雇用先が代理申請することが一般的です。申請の基本条件は雇用先の企業が当局に登録・認定された「認定雇用主」または「認定人材派遣会社」でなければなりません。

新法律は「ゲストワーカー」を

  1. 投資プロジェクトの立ち上げに必要な人財
  2. 工場労働者
  3. 季節労働者

の3種類に定義しています。1と2の場合、雇用主は社宅などゲストワーカーが住む宿泊施設を提供する義務があります。その他注意事項は下記となります。

産業制限

ゲストワーカーが就労できる職種は限定されており、およそ300職種にわたり、ゲストワーカー許可証での採用が禁止されています。人材不足が問題となっている産業の業界ではゲストワーカーとしての外国人の採用が可能です。

国籍制限

ゲストワーカーの国籍も限定されており、2024年現在はハンガリーが提携を結ぶ以下の15ヶ国からのみ採用が可能です。

  • ベラルーシ
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ
  • 北マケドニア
  • モンテネグロ
  • ジョージア
  • ロシア
  • カザフスタン
  • キルギス
  • モンゴル
  • フィリッピン
  • インドネシア
  • ベトナム
  • ベネズエラ
  • コロンビア

許可証の期限

滞在許可の期限は最長2年間で、1回限り追加で1年を延長することができます。つまり、ゲストワーカーの場合、合計で最長3年間の就労と滞在が可能です。

家族連れ

ゲストワーカー滞在許可では長期滞在許可への切り替え、家族の呼び寄せができないとされています。


就労目的のゲストワーカー滞在許可「ハンガリー語:Munkavállalás célú tartózkodási engedély, Vendégmunkás tartózkodási engedély」

大卒資格がなくても申請することが可能です。ゲストワーカー滞在許可の期限は最長2年間で、1回限り追加で1年を延長することができます。つまり、ゲストワーカーの場合、合計で最長3年間の就労と滞在が可能です。上記に15ヶ国以外からの採用も可能です。

雇用先の企業もワーカーに代わって滞在許可の申請をすることもできます。ゲストワーカーが自分で申請するのは難しいので、派遣会社が代理申請することが一般的です。ゲストワーカー滞在許可では長期滞在許可への切り替え、家族の呼び寄せができません。

ハンガリーの滞在許可証申請の革新について


EUブルーカードハンガリー語:EU Kék Kártya」

「EUブルーカード」は大卒資格を持ち、ハンガリーで高度なスキルを要する役職に就く外国人が申請できます。申請者は希望の役職が必要とするスキルに対応する資格を持っていなければならないことが重要なポイントです。

大学の専攻で役職が限定されることは、日本ではほとんどありません。ただ、ハンガリーで就労を希望する場合、最終学歴の専攻がボトルネックになることもあります。例えば、文学部卒業者がハンガリーで経理として勤務したい場合などは、よほどの理由付けをしない限り、却下される可能性が高いです。

「EUブルーカード」の申請時には有効である労働契約書と大学卒業証明書の提示が求められます。大学卒業証明書はハンガリー語でない場合、ハンガリー国立翻訳事務所による公証翻訳を添付しなければなりません。

有効期限は最長4年です。期限が切れる30日前に延長申請をする必要があります。家族の呼び寄せが可能です。


ハンガリーカード「ハンガリー語:Magyar Kártya」

その他「ハンガリーカード」という滞在許可証の種類がありますが、高等教育担当大臣の声明に記載された資格を有する者のみ申請できます。こちらは、基本的に日系企業様向けではありません。

ハンガリーの滞在許可証申請の革新について


まとめ

2024年1月に新制度が導入され、2024年3月1日より再び滞在許可の申請ができるようになりました。申請がストップしていた2ヵ月の間、申請の再開を待っていた方々が殺到しています。これまで認められていた方法が認められなくなったり、手続き方法が変わったり、申請書記載の内容が変更になったり、許可証発行の条件は厳しくなっている印象です。移民局のシステムが非常に不安定で、オンライン申請が上手くできない日もあります。

このような状況ですが、ハンガリーに駐在員を派遣されたい企業様、ハンガリーで就労を希望される日本人のために移民局の担当者や移民局に近い弁護士とやり取りをしながら、皆様の就労許可証・滞在許可証取得が確実に取得できるよう、サポートを行っています。


ご質問等があれば、お気軽にお問い合わせください。

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